児童家庭支援センターゆうりん

心と体の健康をサポートする活動

児童家庭支援センターゆうりん

2020年8月31日 活動報告 0

内容・資金の使い道・時期・回数・費用内訳等

【取り組みの内容】
(1)対象地域選定の経緯経過
当センターでは『地域連絡会』を毎月1回開催し、地域の民生委員・主任児童委員の4名の方々にご出席を願っている。当初はこれらの方々から身近な地域に住まわれる生活困窮世帯について情報をいただき、支援が必要と判断される家庭に対して支援を行うべきと考えていたが、個人情報の観点から安易に情報の提供はできないとの見解が示された。そのうえで、近隣地域の小学校(都城市立五十市小学校)に趣旨を説明し、理解と協力を求めてはどうかとの助言をいただくことができ、対象地域を五十市小学校区とすることとした。

(2)対象校との協議
五十市小学校を訪ね、校長先生に当プロジェクトの趣旨を説明。同校に通う児童生徒のうち、生活困窮状態にある児童生徒とその家庭に対する支援を行いたいと申し出を行ったところ概ね了承をいただくことができた。ただし、保護者に対する案内については、生活困窮状態にある家庭(準要保護世帯:77世帯、生活保護受給世帯:3世帯)に
のみ行うのではなく、全世帯(計510世帯)に対して行って欲しいとの要請があった。

(3)対象校に通う児童生徒の保護者宛の案内文書送付
学校側の要請に基づき、保護者宛の案内文ならびに返信用紙(当プロジェクトによる支援を受けることに対する意向、子どもの員数と年齢、支援を希望する食料品、提供の方法等を記入する欄を設けたもの)を、学級担任経由で全世帯に配布していただいた。

(4)支援希望世帯の状況
上記(3)の取り組みの結果、計30世帯から支援要請があった。回収した返信用紙を確認したところ、下記のような状況が窺われた。
・ 30世帯中26世帯が保護者欄に母親と思われる氏名が記入されていた。
・ 1家族当たりの子どもの数は1人から5人であった(平均2.47人)。
・ 子どもの年齢は0~16歳であった。
・ 支援を希望する食料品等については具体的な記述は一部を除き殆どなかった。

(5)支援品目の選定
支援品目については具体的な希望が殆ど寄せられなかったことから、センター所属職員と協議した結果、下記のような食料品を基本に準備することとし、具体的な希望が出された家庭については希望の品々(学用品や紙おむつ等)を優先的に準備することとした。また、金額については、子ども1名に対して約4,000円相当とし、1名増えるごとに1,000円を上乗せする形で食料品等を増やして提供することとした。
〇提供した食料品等の内訳
米(5㎏)、素麺、素麺つゆ、カレールウ(12人分)、レトルト食品(ハヤシライス)、
即席めん(5食)、シーチキン(3缶)、ふりかけ、お菓子セット

(6)支援の実施状況
食料品等の提供については30世帯中19世帯が配達を、11世帯が受取を希望された。これらの希望に基づき、8月1日から8月5日にかけて提供を行った。

(7)支援に要した費用の内訳
支援を行った食料品等の購入金額は160,669円(消費税込み)であった。その他、全世帯向けの文書の作成と回収のための費用(コピー用箋、封筒、コピー代)と、配達のための燃料代を要した。※残額については、第2弾の支援を行うための費用として充当する予定。

(8)支援後に実施した対象校との意見交換の内容
全世帯に対する支援を完了後、五十市小学校を訪ねて当プロジェクト実施についてご理解とご協力を賜ったことに対して感謝の念をお伝えした後、下記の点について意見交換を行った。
・ 生活困窮状態にある家庭が80世帯を数える中で、支援を希望した世帯は30世帯に過ぎなかった(実際に困窮されている家庭に対する情報発信やアウトリーチの難しさがあった)こと。
・ 朝食を食べずに登校する児童生徒が少なからず存在する(単発的ではなく継続的な支援が必要な家庭や児童生徒が存在する)こと。
・ 支援を必要とする児童生徒やその家庭のために、学校と社会福祉法人の連携協力が必要不可欠であること。

活動の様子

【課題・今後の展望】
(1)課題
児童家庭支援センターは対象者が抱える課題を明らかにするとともに、必要に応じた指導や助言を行なうだけでなく、法制度に基づくサービスの提供等につなげることで課題解決を図る機関ではある。しかし、即時対応しなければならない課題を抱えているケースに遭遇する場合もある。今回のプロジェクトに参画し、生活困窮状態にある児
童生徒とその保護者に対して食料品等の提供を行う機会に恵まれたが、寄付に頼らない自前の事業展開ができる組織体制の確立が課題であると痛感した。また、生活困窮等、多様な課題を抱えている児童生徒や家庭にアウトリーチするための機動力の向上と、それを可能にする職員個々の資質向上が欠かせない課題であると痛感させられた。
(2)支援を行った方々の状況や反応等
支援を行った方々からは一様に感謝の念が示された。しかし、配達を行った際の自宅の外観や受け取りに来られた方々の服装等からは、真に生活に困っておられたるのかどうかの判断はできなかった。その一方で、生活困窮状態にあると推測される世帯の半数にも満たない30世帯からしか支援の要請がなかったことは紛れもない事実である。実際に困窮されていても「手を挙げることはできなかった世帯」が相当数あったことは疑う余地がないところである。

(3)今後必要と思われる支援の内容
今回のプロジェクト参画を通して実感したのは、生活困窮状態にある児童生徒やその家庭に対する広報(情報発信や周知)の難しさだけでなく、「手を挙げることができない(潜在的なニーズを抱えている)ケースに近づくことの難しさであった。また、支援は単発的なものではなく、細々とではあっても継続的な支援が本来は求められているのであろうとの認識を持つに至った。しかも、その支援内容は単一のメニューではなく、複数のメニューを取り揃え、それぞれのニーズに応じてミックスして提供できることがベストであり、組織としてはそのための体制づくりに加え財務基盤の強化も求められるのではないかと感じた。


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