興正こども家庭支援センター

子どもの食緊急支援プロジェクト

興正こども家庭支援センター

内容・資金の使い道・時期・回数・費用内訳等

第2期のご支援を受け、2020年8月中旬からサンドイッチのランチボックスの配布を中心とした以下の1~4の取り組みを行い、現在継続中です。9月30日現在ランチボックス1食あたり1000円で総数120食、計120,000円分の支援を行っています。ランチボックスの提供を通した支援は10月末までを目途に行っていく予定となっています。

【取り組み1】
NPO北海道子育て支援ワーカーズが札幌市地域子育て支援拠点事業(子育てサロン)を通し関わっている産後うつや貧困家庭など心配な家庭を当センターのスタッフと一緒に訪問しサンドイッチの提供を行い、お話を伺った。25食

【取り組み2】
公益財団法人さっぽろ青少年女性活動協会が運営している、若者活動センターで展開しているアウトリーチ型事業「10代みんなのカフェ部」は、家庭に居場所がなかったり、家庭ではいつも一人で食事をとっている子ども達に対し、公園にキッチンカーを運び、そこで炊き出しを行っている。その炊き出しにサンドイッチの提供を行った。また、同協会が今年度より取り組む、子どもの居場所つくり事業と連携し、子ども・若者・子育て中の親にとってみんなが頼れる実家のような居場所づくりを目指して開設された「いとこん家」にサンドイッチを主としたランチBOXを提供した。また、「いとこん家」では、この食支援を通し「シンママ応援企画 夕飯づくりをたまには休みたい!」を独自に企画し、シングルマザーのなかでも極めて困難な状況にある家庭を訪問しサンドイッチの提供とお話をする支援を展開された。また、「不登校の子に、修学旅行に負けない思い出を作ってやろう!」と中学校の修学旅行の日にサンドイッチを持っての遠足行事を企画し、公園でのピクニックを行うなど支援の幅が広がっている。45食

【取り組み3】
第1回の活動の際にも支援を行った、札幌市内において子どもの貧困問題に取り組む支援団体認定NPO法人Kacotam(カコタム)が行う、学習の機会に恵まれない子供たちを対象とした学習支援の場(5箇所)を利用する子どもとその家族分提供した。 
25食

【取り組み4】
市内の保健センターと連携し、区が把握している心配な家庭(多子世帯や若年ひとり親世帯)に訪問しサンドイッチの提供を行い、お話を伺った。25食

活動の様子

第2期では、第1期の活動を振り返り、ニーズのあるところを中心に継続支援を行うと共に、SOSを出しにくい子育て困難を抱えている養育者のような「つながりにくい」要支援家庭と接点のある、支援機関や支援者と連携しながら、従来の支援だけではキャッチしにくかった対象者の掘り起こしに焦点をあてた。
子育て支援ワーカーズ内のあるグループでは、訪問型子育て支援「菜の花」事業として、無料で産前産後の母親を対象に、訪問し相談支援を行っている。第2期では、「菜の花」の利用者宅にワーカーズスタッフと同行訪問させていただいた。「菜の花」の利用者は、両親が揃っていて深刻な経済的な問題も抱えておらず、子育てに対しても熱心な家庭が多かった。また、高齢での初産や産後のアンケートで産後うつの指標が高かった母親もいた。今回、訪問すると「友人たちは子育てが一段落しているので、新生児の辛さを伝えても共感されにくい」「ワンオペ育児で孤立感がある」「知識がないのでこれでいいのか心配だけど、相談したくてもどこに相談して良いかわからない」「訪問してもらって、相談員の顔がわかると電話相談もしやすい」との声が聞かれたまた、今回、母親が訪問を希望したが、父親が「福祉的支援を受けることは恥」との考えが強く訪問が叶わなかった家庭もあった。背景には父親や親族の職業も影響していると思われる。
ワーカーズとの訪問を通し、一見、ちゃんと子育てをできていそう、ちゃんとしているだろうと見られる家庭だからこその「気づかれにくい子育て困難」があるのだと気づかされた。私たちが今まで関わってきた家庭の多くは虐待ハイリスク群やその心配があり、不登校や虐待や貧困、親の病気など困難が表面化し、支援者が気づきやすい。一方、今回訪問した家庭の困難は見えにくく支援の目からこぼれやすい。地元に密着した支援を展開している機関と連携したからこそ見えてきた部分であり、今回の食緊急支援プロジェクトを通して新たな支援の一歩を感じられた。「気づかれにくい困難」を抱えた家庭へ早期に関わることは母親の孤立感を解消するだけではなくマルトリートメント予防に繋がると考えている。
第2期では、当センターの近隣区域の保健センターに、保健センターが把握している特定妊婦や若年親、貧困家庭など心配な家庭に同行訪問させて頂くことを提案した。しかし、行政の中で「保清が心配な家庭が多く、もし該当家庭が賞味期限後にサンドイッチを食して食中毒を出したりした場合のリスクが心配」との声があり、現在は以前から連携して支援を行いある程度信頼関係がある家庭への訪問に留まっている。行政だからこそのこのような支援にタイアップする際の注意点などがあることが分かり、どのようにクリアしていけるのか、次の課題だと考えている。保健センターと共にケースに関わることは、見守りネットワークの目を細かくすることにも、要対協の活性化にも繋がる大事なポイントだと思う。私たちとしては、今後10月末までにケースに直接支援を行っているスクールソーシャルワーカーや子どもコーディネーターと連携しながら要支援家庭への訪問を行い、地域で支える厚みを増やせたらと考えている。

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